四街道まごころクリニック院長の梅野です。
11月1日をもちまして平成24年11月1日の開業から3周年を迎えることができました。
これもひとえに関係各所の方々のお力によるものと、この場をお借りして感謝申し上げます。
この節目の時期を迎えるにあたり、毎月定期的に職員によるブログの情報発信をすることにしました。
在宅療養に関することやクリニックでの日常のできごとなど、いろいろな話題を掲載していきますので、少しでもご参考にしていただければと思います。
11月は院長の梅野よりお届けします。
当クリニックは訪問診療というご自宅や施設等にお邪魔し診察をすることを中心に診療を行なっています。
そのためがんと診断された方との関わりは多いと言えるでしょう。
現在2人に1人はがんに罹患し、3人に1人はがんで亡くなると言われています。
当クリニックも月に数名から多くて10名程度、がんと診断された方のご紹介をお受けしていますが、残念ながら積極的な治療の困難な場合が少なくありません。
積極的な治療が困難な場合、残された時間は限られるため、どうやって生涯を閉じるかが大事になってくると思います。
食べる、会話できる、歩ける、といった時期はいいですが、徐々に体力も低下しさまざまな症状も出てきます。
そのような時には、
「いかに痛みなどの苦痛症状を取り除くか」
「食べたい(飲みたい)ものを、食べたい時に食べたい分だけ」
ということをお話しさせて頂いています。
例えばお食事ができなくなってしまったら、
栄養を、水分を、と点滴が必要では?と思うかもしれません。
しかし、がんの末期状態では、点滴により浮腫(むく)んだり、痰が水っぽくなったり吐いたりなど、むしろ苦痛症状へとつながる方もいらっしゃいます。
「先生の言う通り、点滴やらなきゃ良かったよ・・・」
とおっしゃった方もいました。
がん末期という病気の性質上、水分が不足くらいの状態の方が苦痛症状は楽になり、口から飲むことができなかった方でも、少量ながら飲むことができるようになった事例を多く拝見してきました。
もちろん、点滴により栄養や水分を供給した方がいい場合(あるいは施行しても大丈夫な場合)もあります。
つまり、栄養・水分補給としての点滴を選択肢の一つとして、必要性を吟味して施行することが大事かと思います。
上記のように、治療・緩和のための選択肢を提案し、ご本人、ご家族と一緒にどういう在宅療養にしていくかを考えていく、そういうクリニックでありたいと思います。
今後ともよろしくお願い致します。