院長の梅野です。
コロナ禍の今、ミーティングや研修会では一部リアルも増えてきたましたが、特に医療業界ではやはりまだオンラインでの開催が主流ではないかと思います。また連絡手段はICTツールを積極的に活用し、接触回避せよ!と、残念ながら対面でのコミュニケーションが減っているのが現状かと思います。
普段の行動を見直すべく、8月19日に『オンラインで心を掴む経営心理学』を視聴しました。講師の藤田 耕司さんは税理士、公認会計士としてコンサルをおこなう中、一般社団法人日本経営心理士協会の代表理事も務めていらっしゃいます。
「結果(数字)を残すには、のぞましい行動を引き出す必要があり、そのためにはそのヒトの『感情』を動かすことだ大事だ。」という考えのもと、『数字』と『心理』の両面から経営アドバイスをされているそうです。
リモート化に日本中が舵を切って1~2か月で組織の一体感が低下したという報告が相次いでいるとのことでした。そしてその帰属意識の低下が、最終的にはスタッフの離職にも繋がると。そしてそこで信頼を築くのに必要なものが『言葉』と『顔面』だと。
問題点として、そのヒトの欲求が満たされないことに言及されていました。
マズローの欲求5段階がよく用いられますが、ここではクレイトン・アルダファーのERG理論がビジネスでは使用しやすいとおススメされました。
- 生存欲求(Existence) → 賃金や雇用条件
- 関係欲求(Relatedness) → 良好な関係、承認
- 成長欲求(Growth) → 自分の能力を上げ、更なる可能性を追求
リモート下では関係欲求と成長欲求が満たされにくくなるそうです。
関係欲求(Relatedness)を満たすためには”雑談”が必要となると。そしてスタッフとのやり取りでの注意点としては以下の通り。
- チャットやメールでは表情や声のトーンが分からない。また、基本的に文字は冷たい印象を与えやすい。そのため、「上司は怒っているかも」と部下に誤解されやすい。ただ、上司側はそう誤解されていることに気付かない。
- なるべく電話やテレビ電話のコミュニケーションを入れ、文字以外の情報も伝わるようにする。
- 叱るときはリアル(チャットやメールで叱らない)
- 良い点は積極的に褒めるようにする。
- お客様と違って、部下はこれくらい分かるよね、と阿吽で進めてしまうのは注意。
もう一つ、成長欲求(Growth)を満たすには第一に褒める。お客様からの喜び・感謝の声を伝える。成長の跡を伝える。リアル以上にポジティブフィードバックが大事だということでした。
そして帰属意識を高め、組織内での今後の可能性を示すために、
- 指示する業務の目的や意義、役割
- その業務の周囲へ与える好影響について
- 今後への期待、会社に対する貢献の度合い
を意味付け、意識付けしてあげることが大切であるとのことでした。
そして最後に、「管理者は、こういったコミュニケーションを取ることの重要性を理解する。そのコミュニケーションを十分にとれるだけの時間を確保することを意識してほしい」とメッセージをいただきました。
コロナが蝕んでいるのは身体ではなく、実は”ココロ”にこそ巣食っているのではとつくづく感じていますが、こういう時こそ皆で協力し合い、「お互いさま」の精神で乗り切っていきたいものです。
10月もどうぞよろしくお願い致します。
医療法人社団まごころ
四街道まごころクリニック
理事長/院長 梅野 福太郎