全市区町村に設置義務のある『認知症初期集中支援チーム』が平成30年3月四街道市にも立ち上がり、私はそのチーム医師を務めています。
認知症初期集中支援チームとは、
「複数の専門職が家族の訴え等により認知症が疑われる人や認知症の人及びその家族を訪問し、アセスメント、家族支援等の初期の支援を包括的・集中的(おおむね6ヶ月)に行い、自立生活のサポートを行うチーム」
となっています。
チーム員は、保健師、看護師、作業療法士、 精神保健福祉士、社会福祉士、 介護福祉士等から構成されており、1チーム3名以上から成り地域によっては複数チームが属しています。
本来は認知症のごく初期への介入も役割の一つですが、四街道市は3名1チームの最小限の構成となっているので、対象ケースの多くは既に認知症が進行し、ご自身や周囲もお困りのケース。
例えばいわゆる”徘徊”や郵便局で預金がおろせない、物盗られ妄想、浮気妄想などの方を対象として対応してきました。
認知症のごく初期への介入としては、個々のケースではなく定期的に各地域で市民啓発講座を開催し普及に努めています。
先日8月26日(金)に桜ヶ丘中央コミュニティーセンターにて認知症についてお話させて頂きました。
参加者は認知症になるのが心配だ、怖い、との思いがキッカケの方が多かったです。事後アンケートにて話を聞いて安心した!とのコメント多く、ホッとしました。
85歳以上では55%の方が認知症ともいわれ、大なり小なり年を重ねると認知機能の低下は生じるのだと思います。また治る認知症もありますが、多くは治らない(=付き合っていく)認知症となります。
最近は様々な要因が認知症との関係について示されていますが、
- 食事
- 運動
- 人との付き合い
- 知的刺激
が挙げられています。
つまり心身にとって有用だろうことを、普段から地道におこなうことが大切だと思います。
また”忘れる”という事象を起点に、問題となってくる行動の多くは周囲との”見えている世界にズレ”が生じてしまい、人間関係にヒビが入ることが多いです。
勿論、周囲の関わりのみでは改善が見込めないこともあり、投薬や生活の場を変えたり、入院することもあります。しかし”見えている世界にズレがある”という認識を周囲が持ちその関わりを変えることで、関係性も良好になることも多いです。
これまで普及啓発講座の参加者の反応をみるに、認知症を知ることで多くのお困りごとが解消する可能性は感じています。
正式なアナウンスは後日あらためますが、10月14日(金)18:45〜第15回千葉在宅を考える会を開催します。
テーマは「認知症」です。
専門職はもとより、一般市民の皆さんも少しずつ認知症についての理解が進めばより安心した日常生活を送れるのではと思っています。
10月14日(金)の夕刻はお時間を空けてお待ち頂ければと幸いです。
医療法人社団まごころ
四街道まごころクリニック
理事長/院長 梅野 福太郎