こんにちは、院長の梅野です。
2月4日(土)16:00~18:00、佐倉ウィシュトンホテル・ユーカリにて第11回東邦大学医療センター佐倉病院 医療連携学術フォーラムが開催されました。
現地・オンラインの両方で200名程度の方が参加されたようです。
(3年ぶりの現地開催!)
講演1は東邦大学医療センター佐倉病院の呼吸器外科・消化器外科からの講演でした。
講演2は佐倉中央病院 病院長 岩淵 康雄 先生からのお話。
96床(一般78床、地域包括ケア病床18床)の入院機能はもちろん、
個人宅への訪問診療、施設も嘱託医や協力医療機関として医療提供もされています。
施設含めて在宅でのお看取りもしていると。
一方で、救急搬送も管内の8.3%(市内では東邦大佐倉、聖隷佐倉について3番目)の受け入れをされていらっしゃいます。
高度急性期以降の患者層をカバーし、高齢化の波が押し寄せる佐倉市をしっかりと支えるために、医療-介護の連携、医療機関同士の連携を説かれていました。
いずれも大変勉強になりました。
最後に、私のほうから『在宅医療』について、当院の取り組みを中心にお話しさせていただきました。当法人の紹介からはじまり、在宅医療については、在宅医療でフォローするケース紹介を経て、自宅で最期を過ごすことについてお話しさせていただきました。
在宅医療のその効用については、佐々木 淳先生の医療法人社団悠翔会のデータより拝借させていただき、年間平均入院日数は在宅医療前後で41.2日から11.5日になったとのデータをご紹介しました。
また、四街道市の2021年度の救急搬送が3,816件に対して当院の2022年往診数は625件。往診のすべてが救急搬送対象ではないでしょうが、通院困難者への往診は在宅クリニックが介入していないと一定数は救急搬送になるだろうと仮定すると、それなりのインパクトになるのではないかと思います。
ケース紹介については救急搬送頻回者への介入で救急要請が減ったケースや、かかりつけのない超高齢者へ介護体制を確立し自宅看取りしたケース。誤嚥性肺炎で食べられないが、病院主治医、施設スタッフ、家族、在宅医で相談し施設へ戻り徐々に摂食回復したケース。慢性呼吸不全の方へのHOT(在宅酸素療法)の使用方法など生活指導で状態安定したケース。カテコラミン(強心剤)や利尿剤を持続投与しつつ自宅退院を受け入れたケースなどご紹介しました。
2022年の日本の高齢化率は29.1%と超高齢社会となり、医療モデルは若年者の急性単発から高齢者の慢性多発・複雑なモデルに移行し、治癒を目指す入院治療において医原性サルコペニア(筋肉量の減少および筋力の低下)やせん妄(混乱)などリロケーションダメージを考慮した入院適応、および退院判断が必要となってきています。
したがって、病院治療(CURE)と在宅医療(CARE)の”いい塩梅”を考えての治療戦略が必要だろうと考えます。医療従事者がこれまで以上にそのことを意識して治療し、病院連携を図る必要があると思います。
※画像は院内での予演会の様子です
日本財団による人生の最期の迎え方に関する全国調査(67~81歳)では、58.8%は自宅で最期を迎えたいと回答。
ではなぜ自宅で過ごしたいのか?
病院では”患者”という仮面をかぶるが、自宅では仮面をはずし自分らしく過ごせる。
自宅では母・父などの役割が加わり自分を取り戻せる。
慶応大学の前野 隆司さんの幸福学から引用した「やってみよう、ありがとう、なんとかなる、あなたらしく」を満たす場であるからこそ、自宅に居たいと思えるのだろうと思います。
また家族は状態低下の経過を見続けることで「覚悟」と「納得」が得られるのでないかと感じます。
人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(ACP;Advance Care Plannnig)、いわゆる人生会議は重要でしょう。ただ、軽々しく最期は?とは聞けませんのでサプライズクエスチョン「1年以内にその人が亡くなっても驚かない?」を基準に照らしてそのタイミングを見計らうことは必要でしょう。
では、元気なうちはどうする?
ALP(Advance Life Plannnig)、人生観、死生観を元に何を大切にしているのか、どのような人生を歩みたいか、について考えるもの。ALPから開始するのも一つでしょう。ただあまり難しく考え過ぎずに、この人だからこんな選択をするんだろうなぁ程度が分かるように付き合っていけばいいと思います。
クリニック、病院、在宅医療機関がそれぞれのスタンスでライフレビューなどを通して情報を得て、それをつないでいくというバトンパス。または人生の最終段階になれば医療機関同士での伴走も大切になってくるだろうと思います。
そんなお話をさせていただきました。
参加された各先生方より、在宅診療、紹介していく患者様のイメージが湧いたというコメントもたくさん頂き嬉しく思いました。
幾つかの病院からは担当連携室からのご挨拶を受けたり、その病院での講演依頼、実際の患者様のご依頼などもありました。
と同時に、在宅医療について、まだまだ周知し切れてない力不足も痛感しました。
引き続き伝える努力を惜しまず、日々を過ごしたいと思います。
医療法人社団まごころ
四街道まごころクリニック
理事長/院長 梅野 福太郎
四街道まごころクリニック診療チーム (火曜日, 18 4月 2023 07:23)
小早川 啓次郎さま
コメントありがとうございます。
ご自分らしくご自宅でお過ごしいただけるよう、クリニックメンバーで連携を図りながら、ご支援させていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
小早川啓次郎 (金曜日, 14 4月 2023 16:19)
私も人生最後は自宅でと考えている一人です。現在77歳になり人生の終わり方を自分なりに考えているつもりです。この度 真心クリニックで在宅医療をお願いすることになりました。
宜しくお願い致します。