今回は犬の話です。
昨年だったか、東京都健康長寿医療センター研究所という機関が「地域在住日本人高齢者における犬の飼育の認知症予防効果」という論文を発表されたそうで、一時期テレビなどでも取り上げられていました。
(興味のある方はこちら:https://www.tmghig.jp/research/topics/202304-14828/)
我が家は動物がいなかったことがなく、インコ→ウサギ→モルモット→雑種の犬→柴犬→ポメラニアン×2→チワワ→柴犬(ゴン太)→柴犬(コタロー)という感じです。
ここ最近の柴犬(ゴン太・コタロー)は父のために飼うことにしました。
そんなゴン太は母が亡くなる1年前に亡くなり、その頃から徐々に母の介護が必要な場面が増えました。
多忙な毎日でしたが母が他界、その3か月後、毎週(水)(土)に食事を作りに行っていた私に向かって父は「今日、来る日だったっけ?」と聞いたのです。
当時父は75歳でしたが、介護サービスの出入りで曜日を確認していたこと、いいもわるいもなく朝は決まった時間に(母に)起こされ、食事も母の予定を考えて準備していたこと・・・
自分だけのことっておろそかになりがちで、時間も曜日も気にする必要もなくなるのはわからなくもない・・・とは思ったものの「これはいかん!」と検討に検討を重ね、コタローを迎えることになりました。
おかげで早朝に起こされ、ご飯も催促され、トイレも失敗し、階段の踏み板をかじり、壁紙をはがすような暴れん坊だったこともあり、父は生活リズムを取り戻し、3食しっかり食べ、日に6回ほど散歩に行くようになり、現在も変わらずに過ごしています。
ここで大事なのは「検討に検討を重ねた内容」です。
我が家の場合、父、当時75歳(一人暮らし)、娘(私)当時42歳(一人暮らし)
- 犬の寿命 概ね15歳
- 犬が寿命を迎える頃、父は90歳。その頃まで元気で散歩に行けるか。
- その際、娘が散歩などを担当できる年齢か。
- 父が入院した時に娘は犬の世話ができるか。
- 娘が対応できないときに、ペットホテルなどの費用は払えるか。
- ペットホテルが長期利用になっても大丈夫か。
この辺をしっかり考えた上で、コタローをお迎えしました。
ケアマネとして・・・
ここからは犬だけではなくペットの話になりますが、高齢になって動物を飼育することを考える際には、飼い主が自宅以外の場所で生活をせざるを得ないときが必ずやってくる、日々の世話自体もできない状態になる、といったことまで考える必要があります。
介護保険ではペットの世話はできません。もちろんお預かりすることもできません。
「ペットがいることで入院を拒む」「急な入院でペットが取り残される」そんなこともあることを念頭に置いて動物の飼育はご家族で十分話し合った上で検討してください。
また、現在飼育されている方は、「もしものとき」のことをご家族と話し合う機会をもってください。
ペットの世話をすることで得られる効果はもちろんありますが、環境はしっかり整えてほしいとお伝えしたくて、長々書いてしまいました。
そんなこと言われなくてもわかってるよ!と思っている方もいらっしゃることでしょう。
急な時っていろいろやることがあって、ペットのことまで考える余裕もないものです。
日頃の備えと思って、ぜひ考える時間を作ってみてください。
主任介護支援専門員 宮内
坂上ひさ子 (月曜日, 16 9月 2024 00:10)
仰るとおりですね。動物も飼い主もそれぞれが高齢になり、介護が必要になったり、世話ができなくなった時の事はしっかり話していかないといけませんね。そう言った時の受け皿も必要かもしれませんね。