新年あけましておめでとうございます。院長の梅野です。
旧年中は大変お世話になりました。
関係者各位の皆様のお陰でまごころも9回目の正月を迎えることができました。あらためて感謝申し上げます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19、以下コロナ)禍で初めて迎える元旦はいかがお過ごしでしょうか。
2020年はまさにコロナ一色でしたね。東京オリンピック・パラリンピックも2021年に延期となり、それも現状だと開催が危ぶまれてもおかしくない状況。
・マスクの着用
・手洗い、うがい、手指消毒
・発熱や、発熱がなくとも咳やのどの違和感、だるさ、食欲低下などの症状時のサービス中止や安静。
・ソーシャルディスタンス
・3密回避
などなど、だいぶ習慣化してきたのではないでしょうか。
改めてコロナ対策を周知・徹底し、お互いの安心・安全を守っていくことができれば幸いです。
さてコロナが与えるダメージは感染症としての脅威もさることながら、それにより誘発される精神状態の変化・シャムズ(CIAMS:COVID-19/Coronavirus-induced altered mental status)が挙げられます。
コロナ対策に際して、「単なる風邪だ!」という考えから、「Go Toトラベルは中止だ!政府は何をやっている」という論調まで、さまざまな意見がメディアで連日流れています。また一人ひとりの意識や考え方に温度差があると感じられ、それは多少致し方ないことかと思います。
ただ、コロナへの不安をきっかけに、心と身体のバランスを崩す方も見受けられます。また、周囲への眼も厳しいものになり、考え方を押し付けてしまう(同調圧力)世の中になっているのではないでしょうか。
またコロナによって新たにもたらされた問題以上に、本来水面下に有していた課題があぶり出されているとも言われています。
その最たるは、会社の課題の9割(もしくは10割とも!)と指摘されるほど最も大切な人間関係。
ソーシャルディスタンスによりこれまで雰囲気で乗り切っていたその関係性が崩れる場面もあったかもしれません。
年末に開催した第40回まごころ在宅連携会でちぐさ会クリニックの福田先生が、「コロナが及ぼす様々な”分断”と闘っていきましょう!」というメッセージに参加者は胸を打たれました。
コロナがもたらしている現状、その対策への最も正しい解は何でしょうか?
私にも正直分かりません。
ただ、一つ言えることは、
「個人も、会社も、コミュニティも、行政も、政府も最善を尽くしている。そして自分もこれからも最善を尽くし、周囲に少しでも貢献しよう」
ということではないかと思います。
自分に与えられた情報なんてごく限られたものです。その中での狭い考え方が、決して大きな単位での最適解であることはあり得ないと思います。
結局は自分が変えられるのは、自分の考えであり行動だと思います。
2019年のテーマは『初心』、2020年は『原理・原則』でした。
2021年のテーマは『中庸』としました。
「物事の判断は、『0か1』など2項対立的で捉えられやすいですが、その間で彩られるグラデーションの中のどこかに最適解、そこからもしくは納得解が存在する。」
と考えたいと思います。
コロナ対策で言えば、ロックダウンでもbeforeコロナの生活でもなく、程よくガードを上げつつ、でもしっかりニコッとコミュニケーションを取り続ける姿勢であり続けたい。
在宅の現場でも、ACP(アドバンスケアプラニング)や終活など自分の最期の医療行為や療養の場について話し合おう!という機運もみられます。もちろん、訪問診療に従事しているのも自宅での生活のチカラ、尊さを感じているからこそではありますが、「在宅至上主義」ではなくフラットに、本人、家族のいきがいや価値観を尊重した選択を共に悩み、支えたい。
当まごころスタッフにおいて、去年のコロナ禍で資格を取るために頑張る方、無事に出産を迎えられた方、今後出産を控える方。一方で退職、新たな環境を目指す方などスタッフそれぞれの人生がありました。2021年もそれぞれの生活や働き方を支えたい。
コロナ対策、生き方、働き方、自分の職種の在り方、またはコミュニティや社会においても多様性やその可能性について許容していく(=包摂)。
ヨットは無風では動きません。
追い風があれば勿論、例え向かい風であっても帆の扱い方によっては前進できるのです。
コロナという逆風下であっても、我々は前に進むことでできるのです。
今回も最後に、年末年始に出勤してくれているスタッフへ。
心より感謝の意を伝えたいと思います。
2021年もどうぞ宜しくお願い致します。
医療法人社団まごころ
四街道まごころクリニック
理事長/院長 梅野 福太郎